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つくり手を訪ねて
MUKA

2013年9月

”もちっ、つるん”としたMUKAのパスタ。

「月のさかな」監修のもと、「社会福祉法人 香月福祉会 障害福祉サービス事業所」が委託を受け、パスタ製造をしています。
その中のパスタ部門として、2名の職員と4名の利用者の方が日々美味しいパスタを作っています。
MUKAにはその他にも伐採や木工、クリーニング事業などもあり、幅広い活動で多くの利用者の方が活躍しています。

そしてMUKAとは、「値をはかることができないほど大切なこと(無価)」という意味があるそうです。とっても素敵な言葉ですね。


【MUKAパスタの特徴】

そんなMUKAのパスタには生麺と乾麺があり、職員の川村さん曰く、「生麺はモチモチで、乾麺はつるんとしてます。乾麺の方はくっ付かないし伸びないから、べたべたにならないのでお弁当などにおすすめです。」とのことでした!

このパスタは「月のさかな」からレシピを教えてもらい、MUKAパスタ部門の責任者である鶴田さんが、作り方を習得するのに丸2年かかったそうです。
そして2009年から始めたパスタ製造。最初は3〜4種類しかなかったそのパスタが、だんだんと増えて今では15種類ほどに!贈り物にも喜ばれる彩り豊かな人気のパスタになりました。その豊かな彩りを作っているのは、もちろん、ふんだんに使われた糸島産の食材です!

しかし、MUKAのパスタは、手仕事の行程が多いのでロスや失敗が多いうえに、7月8月は乾燥がうまくいかない等の理由で生産が思うように進みません。時期によっては在庫を大量に作る作業に追われたり大変なこともたくさんあります。また、糸島の素材をペーストにしてたーっぷり使うMUKAのパスタは、野菜の仕入れも一苦労だとか。
でもそんな大変さを話してくれる時の表情は、「本当に大変」と言いながらしっかり楽しそう。さらに鶴田さんは「試して作ってみたいのはいっぱいあるんですよ!」と言います。チャレンジしたいことがたくさんあるっていいですね。


【仕事が趣味みたい!】

「よく工場みたいなところで作っていると思われる人もいるけど、家庭の延長線みたいな感じで作っています」と鶴田さん。
この取材でお邪魔した日も、みなさん黙々と作業をしながら、時折冗談を言ったり、本当に仲良しなのが伝わってきました。

以前は保育士だった鶴田さん。昔から料理は好きだったけど、今の仕事を始めるまで福祉に携わったことは一切ありませんでした。しかし、たまたま見た求人から現在のMUKAの職員になったそうです。
そして「続けられるのは楽しいからですね。毎日大変だけど、ここに来ることで安心できる自分がいる。」と言います。
福祉作業所の中でも利用者の方の勤務時間が比較的長いこの工房では、家族よりもこのメンバーと一緒に過ごす時間がみなさん長いそうです。 それでも定時には「まだ帰りたくないなーもうちょっと居ようかなー」と思うとか。こんなに楽しそうだと、まるで仕事が趣味のようですね!

でもそんな鶴田さんのお子さんは「お母さん楽しそうでいいね、家に居るよりイキイキしてるね」と言ってくれるそう。職員の鶴田さん川村さんは、お二人ともお子さんがいますが、イキイキ働いている姿が子どもたちの誇りになってるようですね。たまに工房にお子さんを連れてくることもあるそうで、和気あいあい楽しく仕事が出来るだけでなく、女性が働きやすい職場としても、とても魅力的です。


みんなで外で野菜を洗ったり、空いてる時間には「いとゴンダンス」の練習をしたり。工房内には、難聴の利用者の方のために手話表があったり、何かを決める時にはジャンケンだったり。楽しいことも難しいこともみんなで一緒に、という印象を受けました。

鶴田さんは「ここのきにパスタを置くようになって、いろんな所とコラボできるようになりました」と言ってくれます。
和やかな雰囲気の中で作られる糸島素材たっぷりのMUKAのパスタ。これからどんな味が増えていくのか楽しみですね。


インタビュー 前田 綾子
写真と文  山下 舞