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つくり手を訪ねて
土丸窯 天 祐輔

2013年8月

独創性ある形の花器を作り出す「土丸窯」の作品達は、ここのきのお店の中でもしっかりとした存在感があります。そして、なんといってもここのきでの人気商品は、うすい緑色の固まりから突き出た何本もの角が、手のひらのつぼを刺激するというマッサージボールの「土のしげき」。
今回は、そんな商品を作っている「土丸窯」天 祐輔さんの工房を訪ねてきました。

2年前に出来上がったという工房は、木造土壁の残る屋内に、白いレンガが壁に埋め込まれているという、どこか懐かしい雰囲気のある空間でした。


【きっかけ】

陶器を作り初めたのは、天さんが18歳の頃。高校卒業後の進路相談で、近所に住む友達のお父さんの陶芸家がいて、話を聞きに行ったのがきっかけでやってみようかなぁと思ったのだそうです。もともと色々な物を作る事に興味があった事もあり、陶芸の世界へ入ったと語る天さん。6年間親方の元で修行をし、10年前に独立をした際、親方から「土丸窯」という屋号を貰ったのだそうです。


【マーブル模様の独創的な形の花器達】

今回のインタビューでどうしても聞きたかった事の一つとして、マーブル模様の独創的な花器の誕生のきっかけでした。3種類の土を練り込んで偶然できたというのがこのマーブル模様の色でした。そして、独創的なデザインは、去年自分がおたふく風邪になった時に思いついたそうです。丸みを帯びたベースからちょっと飛び出している穴が、なんとなくおたふく風邪の時の天さんの顔なのかなぁと想像をしてしまうとちょっと笑ってしまいそうになりました。


【土のしげき】

なんだか手に取って、にぎにぎしてしまいたくなる「土のしげき」。西有田の土を使い、植物の葉っぱをイメージした釉薬が使用されている為、あの独特な緑色が表現できるのだそうです。食器ではない、土を使って出来るモノの可能性をずっと探っていた時に思いついた、とこの作品に対する思いを語ってくれました。「土のしげき」と赤いインクで押されたタグは、天さん自作の消しゴムハンコで作ったと聞いて、さらにこの作品に対する思いが伝わってきます。


【これから】

現在は、農業を行う法人でも仕事をされながら、空いた時間の中で陶芸活動をされている天さん。自分は、息が詰まってしまうので、違う事をしながら陶芸をやっていた方がいいと語る所が、自分のペースを大切にされている天さんらしさが伺えます。

自然の石をイメージした作品や植物の葉っぱのイメージした作品が多くあり、丈夫な食器を作ることを大事にしているそうです。
これからも、今までにないモノを作りたい、発明していきたいという思いをもって活動をしてきたいと語ってくれました。

最後に工房で器を作ってみせてくれた天さん。これからの活躍が楽しみな工房訪問となりました。

インタビュー・文 前田綾子
写真:山下舞