糸島くらし×ここのき 福岡県糸島市前原中央3-9-1  092-321-1020

つくり手を訪ねて
BAKERY HARE 田代 弘之・晴子

2014年6月

住宅街の一角にあるパン屋さん『BAKERY HARE』。ここのきのスタッフもよく買いに行くパン屋さんの一つでもあります。午前中にお邪魔した事もあり、近所の方がパンを買いに入れ替わり立ち代わりお店に訪れます。そんな中、今回『BAKERY HARE』の店主田代弘之さんはお仕事中だった為、奥様の晴子さんにお話を伺いました。


【きっかけ】

弘之さんは、もともとサラリーマン。32歳の時、たまたま知り合ったパン職人がきっかけで、パン職人を目指す事になったそうです。
福岡市のパン屋さんで6〜7年の修行を経て、2007年ここ糸島に『BAKERY HARE』を開業されました。


【パンのテーブル】


入り口を入るとすぐ、10年前に晴子さんがリサイクルショップで購入したというテーブルがあります。その上には、クロワッサン、フルーツデニッシュ、自家製天然酵母のパン、ソーセージパン、ハンバーグパン、あんぱん、クリームパン。奥の棚には、カンパーニュ、バゲット、食パンなど、様々なパンが並べられています。
『BAKERY HARE』の一番人気はやはりレーズン食パン。木の葉モール橋本で月1回開催している「糸島くらしマーケット」でもすぐに売り切れてしまうほどの人気。3種類のレーズンがたっぷり入っていて美味しいと多くのリピーターがいるほどです。『BAKERY HARE』のお店でも「お一人様2斤まで」という張りメモがつけられるほどの人気ぶり。「確実に購入されたい方は、ご予約をして頂いています。」と晴子さん。

そうこう話をしていると、近所のおじいちゃんが自転車で登場。顔を見るや否や、晴子さんは奥の工房へ入り、注文の品を取る。おじいちゃんは、レジ横にお金を置く。「いつもありがとうございます」と晴子さんが言う。おじいちゃんは、そのパンを貰い、自転車で帰っていく。
このおじいちゃんは近所に住む方で、週に一度はパンを購入しに来てくれる常連さんでした。

この光景をみたとき、『BAKERY HARE』が地域のパン屋さんとして、いかに深く根付いているのか知れた気がしました。


【来やすい場所】

晴子さんに、「お店に立つ際、気をつけている事はありますか」と尋ねた所、「何度でも、来やすい場所をつくる事ですかね。」とおっしゃっていました。

確かに、店舗の中には、丸テーブルと椅子があり、ちょっとした飲食スペースがあります。外にはベンチもあったりと、買ったパンをすぐ食べられるのは、嬉しいです。

また、店内のプライスカードは、晴子さんの手作りで、卵、乳製品の使用表記がしてあり、丁寧に作られているのが伺えます。
壁には、絵本が並べられていたりと、とても居心地がよい空間が広がっています。


【最後に…】

弘之さんの朝は、早朝5時頃から始まります。昼過ぎまでパン成形、焼き作業は続きます。そして、次の日の仕込みの為、夕方から再度作業を開始されると言います。全て、1人でされているので、スピードと手際の良さが外から見ても圧倒されました。

そんな弘之さんが焼いたパンを店頭に丁寧に並べるのが晴子さんのお仕事。
焼き上がったパンを弘之さんがオーブンから出し、少し冷えた頃を見計らって、店頭に並べる晴子さん。特に会話を交わすことないけれど、阿吽の呼吸という感じで二人のリズムがそこにはある気がしました。

そんな二人が居る場所『BAKERY HARE』は、「また来たくなる近所のパン屋さん」として、これからもあり続けるのだろうと思います。

インタビューと文 前田 綾子
写真 山下 舞