• instagram
  • facebook
お問い合わせ
info@coconoki.com
お電話 092-321-1020
火曜日はお休みです。
実店舗について

糸島市前原中央3-9-1
営業時間10:00-18:00
火曜定休

糸島のつくり手
糸島手づくり工房 爽風

PROFILE
中村 拓真・宏子

 

糸島のおいしいドレッシングできました
「そうふう」という名前は、二人の子どもたちの名前からとったもの。マークは娘さんの似顔絵。家族の愛がぎゅ〜っと詰まっています。

STORY
つくり手を訪ねて

8月、稲の緑が美しい風景に囲まれた場所に 「糸島手づくり工房 爽風」の工房はあります。

もともとは納屋だったというとても素敵な工房。奥さまの宏子さんがいつもドレッシングを作る場所からは、気持ちのいい景色や季節の移ろいが見えます。
そんな素敵な工房で、ドレッシングづくりをしてる中村夫妻。ざっくばらんにお話を伺いました。
するとドレッシングに込められたいろいろな想いが、じわじわと伝わってきました。

【糸島に戻り農業へ】

以前はふたりとも関東でサラリーマン。
会社の都合で福岡に転勤することになり、ご主人である拓真さんの地元、糸島へ。
「昔はただの田舎だと思ってたけど、戻ってきたら糸島の魅力を活かした色んな動きがあった。自分たちも地元の良さを活かして何か始めたい」と思ったのがきっかけでした。
初めはサラリーマンを続けながらのドレッシングづくりでしたが、次第に「自分でこだわって育てたものを使いたい」という想いが生まれ、完全に脱サラして農業を始めました。 基本的には、拓真さんがドレッシングの材料になる、玉ねぎ・にんにく・人参・バジルなどを作り、宏子さんがそれをドレッシングにします。
拓真さんのお爺さんの代までは農家だったそうですが、拓真さんはこれまで農業に携わったことはない1年生でした。最初はバジルなどの小さいものから始め、農機具の使い方などを勉強していったそうです。

【たくさんの縁に支えられて】

農業を始めるときにお金がかかるのがトラクターなどの大きな機械。
しかしなんと、ちょうど農業を始めるタイミングに親戚からトラクターをもらうことができたそうです!作物の育て方はそれまで玉ねぎなどを買っていた農家の方から少しずつ、やりながら教えてもらい、今では6反ほどの畑にたくさんの作物を育てられるようになりました。それからドレッシングのパッケージのデザインやロゴもたまたまご縁があって書いてもらったり、作ってもらうことができたそう。
いろんな出会いに引かれ、そして出会いが重なり、中村家をここまで運んでくれたようですね。

【子どもたちへの想いがいっぱい】

この「soufu」という名前は、二人の子どもたちの名前からとっているそうです。また横の可愛いマークは、娘さんが2才くらいの時の顔。
「子どもたちもたまに農作業を手伝ってくれて、いつも家族でおもしろ可笑しくやってます」という拓真さん。

そして、子どもを育てる親として、「子どものころからちゃんとしたものを食べさせて育てたい」ということにこだわり、爽風は化学調味料を使いません。 試食会でお客さんの話を直接聞いて、初めてのノンオイルドレッシングも完成しました。 他のドレッシングも油は使っていますが、極力少なめ。 それから今使っているゆずは、宏子さんの実家で採れたものなので、去年、急いで爽風ゆずを植えたそうです! 「全て自分が育てた野菜でドレッシングを作りたい」と語る拓真さん。2年後には爽風ゆずが採れ、オリジナルのドレッシングができますね。楽しみです!

【ハッピーの循環を】

ご存知の方は少ないかもしれませんが、爽風のドレッシングにはこの「子どもの村福岡(福岡市中央区今川にある、家族と暮らせない子どもたちのために、新しい家庭をつくり、地域とともに育てることを目指すNPO法人)」のマークがついています。
はじめ、「自分たちも人の親だから子どものために何かしたい」「ドレッシングも売れて自分もハッピー、そして誰かもハッピーになれば」という想いで、ドレッシングを売ることで出来る支援を考え、いろいろ調べたそうです。中でも、近くで子どものための活動をしている子どもの村福岡を知り、実際に足を運び、 施設を見て決めたそうです。
宏子さんは、以前から古着を集めて海外に送る活動をしており、拓真さんもコンビニに行けば募金が習慣で、寄付をすることに関するハードルは低かったそうです。しかし、誰でも知ってる有名なところへ寄付するのではなく、「自分たちが実感を持ちながら支援できるところ」ということにこだわり、子どもの村福岡を選びました。

こうして私たちは、中村夫妻が想いを込めて作っているドレッシングを買うことで、美味しいドレッシングを食べることができるのはもちろん、「子どもたちを支援したい」という夫妻の想いを丸ごと応援できるんですね。なんだかハッピーな気持ちになります。
ドレッシングが売れた中村夫妻も、寄付を受けた子どもの村福岡(と、そこで育つこどもたち)も、買った私たちも。「自分にできることは小さいことだけど、色んな人がみんなでハッピーになっていけたら」と拓真さんは語ります。 人との縁を大切に、そして何より子どもの親である責任を胸に、爽風のドレッシングは作られていることがしっかり伝わりました。
そしてそのドレッシングには、ポジティブに何でも楽しくしてしまう中村家のパワーがつまっている気がします。
ドレッシングの美味しさの秘密は「こだわりの食材」だけでなく、愛情あふれる家族の営みにありそうです。

インタビュー 前田 綾子 千々岩 哲郎
写真と文  山下 舞
取材日  2013年8月