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つくり手を訪ねて
唐津焼 sakata。 坂田 奈津美

2013年9月

白くて繊細なカップや器が人気の「唐津焼sakata。」
作者の坂田 奈津美さんにお話を伺いました。

とても謙虚で、優しい雰囲気の坂田さん。
この雰囲気から作られる女性らしさを持ったシンプルな器は、女性にはもちろん男性にも愛されます。年齢も若い人から年配の方まで、お湯飲みや焼酎カップ、コーヒーカップとして使っていただけます。
私もおばあちゃんの誕生日にプレゼントしたらとても喜んでくれました!
それをお伝えすると、とても謙虚に「励みになります!」と受け止める坂田さん。どんな想いで器を作っているのでしょうか。


坂田さんのご出身は久留米。通っていた陶芸教室が縁で、22才の時に唐津へ移り唐津焼を学びます。
以前からものづくりに関心はあったものの、特に創作活動をしていたわけではなかった坂田さんですが、「陶芸を始めて独立したきっかけは?」と訪ねると「若気の至りでしょうか〜(笑)」と答えてくれました!

そして勢いでここまでやってきたと謙遜して語る坂田さん。ちょっとずつ出会いを重ねて、いろんな所に作品を置いてもらえるようになったそうです。
「もう今年までかな〜と毎年思いながら今年で13年目になります!とにかくバタバタと頑張るという感じで!」とどこまでも謙虚で明るく真面目な坂田さんらしい言葉がたくさん溢れて、私たちも元気になりました。


【坂田さんと言えば、】

この粉引の白い器。
「自分が白が好きだし、お料理にも使いやすいかなという思いで白の器を作っています」とのこと。お客さんの声でいつの間にか種類も増えていったそうです。
同じシリーズでたくさん揃えたくなりますね。

粉引は、まず土で形を作って素焼きし、白い粉をかけて乾かして,灰色の釉薬をかけます。最後に外側のツヤを出すための釉薬をかけて再度焼き、やっと完成。

土は唐津から仕入れ、4〜5種類をブレンドして使っており、比較的薄く作られているので、味わいと重さと強度のバランスが難しいそうです。
「作り始めるとあっという間に時間が経ってしまいますね。でも忙しいのは本当に有り難いことです、頑張ります!」と、感謝の気持ちを忘れないものづくりの姿勢が本当に素敵な坂田さん。

そんな坂田さんのリフレッシュ方法は、甘いものやお酒、料理や食べることなどなど。糸島は甘いものがたくさんあるから良いですよね〜と嬉しそうな表情で照れながら話してくれました。でも甥っ子と川で遊んだりするのが一番の楽しみだそうですよ。


【フリーカップたちの名前!】

坂田さんの定番、フリーカップシリーズ。今は、ABCDという名前がついていますが、それぞれに名前を付けよう!という話題に。
少しずつ違う可愛らしい形の器それぞれの良さを伝えて、愛着を持って使ってもらえるように。
坂田さんとスタッフとで、一番シンプルな万能型のやつは「湯のみちゃん」次のは「パフェカップ」「コーヒーゼリーカップ」「コーンポタージュカップ」「アイスカップ」 (甘党スタッフの意見) などいろいろ出ましたが、なかなか決まらず。。。

ひとまず坂田さんのあだ名は「坂ちゃん」に決まりました。


【実際に器を作ってもらいました!】

「失業したら和菓子屋さんになってあんこを捏ねようかな」と冗談を言いながらも「緊張しますね〜」と坂田さん。
作り始めると、「これは中心を出す作業をしてます」「この大きさから2割くらい縮みます」「口の部分をなめらかにして、最後に下を削って完成です」と、作る行程やコツなどを丁寧にお話してくれました。作りながらこんなに説明してもらえることに密かに感動したスタッフ。。。
ワケを聞くと、月に1日(午前と午後)陶芸教室をされているとか!どおりで慣れた様子で作りながら説明してもらえるわけですね。
「使っていくとツヤが出て、味わいが増してくる土ものの良さを感じてもらえると思います」と器の育て方も教えていただきました。

この日は、取材なのにどんどん横道にそれる私たちの話を「うんうん」と笑顔で聞いてくれた坂田さん。そんな彼女の人柄にすっかり癒された私。これからも坂田さんの優しい器、ずっと楽しみにしています!


インタビュー 前田 綾子 千々岩 哲郎
写真と文 山下 舞